イタリア・セリエAって?
What's Serie A TIMセリエA(Serie A)はイタリアのプロリーグです。
本来は単にセリエAとだけだとバレーボールなど他の競技でもある「1部リーグ」の意味ですが、イタリアにおけるサッカー(カルチョ)の影響の大きさから大体は「セリエA」=「イタリアのサッカー1部リーグ」を指します。
リーグ自体が創設されたのは1898年と歴史は古いですが、1920年代までは地域リーグの集まりにすぎず、現在のような国内統一リーグとして開催されるようになったのは1929年のこと。
いわゆるビッククラブ、中堅クラブ、地方(弱小)クラブの構造が他のリーグに比べて顕著で、イタリアに根付いているサッカーの本質とも相まって番狂わせが起きにくいリーグでもあります。
1990年代にはユヴェントスやミランが黄金時代を迎えヨーロッパ最強と言われたセリエAですが、2000年代以降は弱体化が進み、特に2006年に起きたカルチョポリ(ユヴェントスを中心とした審判買収・八百長事件)によってイメージも失墜してしまうことになります。
ユヴェントスはセリエBからの復帰後は順調に復活を遂げ、CLの舞台でも決勝トーナメントにいないことはあり得ないというレベルまで回復しているものの、2010年前後には国内で隆盛を誇っていたインテルやローマはやや下降気味、2010年代に長い眠りから目覚めたナポリも国外では成績は安定せず、ミランは国外どころか国内でも没落しすぎ、とヨーロッパの舞台ではイマイチまだパッとしていないところです。
とはいえ、イタリアの地域に根づいたサッカー文化は非常に興味深いものがあります。
特に各ダービーでの盛り上がりは凄まじく、ミラノダービー(ミランvsインテル)、ローマダービー(ローマvsラツィオ)、イタリアダービー(インテルvsユヴェントス)といったビッグクラブ同士の対決から、港町の荒くれ同士のジェノヴァ・ダービー(ジェノアvsサンプドリア)、ヴェローナの市内の一地域と市全体の戦いとなるヴェローナダービー(キエーヴォヴェローナvsエラス・ヴェローナ)など、敵対心むき出しでぶつかり合う荒々しいダービーがここにはまだたくさん残っています。
セリエAは三浦知良のジェノア在籍を皮切りに、ペルージャ・ローマなどで活躍した中田英寿をはじめ多数の日本人選手が挑戦し続けてきたリーグでもあります。2019-20シーズンはボローニャに冨安健洋、冬の移籍でサウサンプトンから吉田麻也の2人の日本代表、しかもカテナチオの国らしくディフェンダーが揃ってイタリアでプレーしています。
参加クラブは20、ホーム・アンド・アウェーの2回総当たりで全38節を行い、下位3クラブ(18〜20位)が2部リーグに相当するセリエB(Serie B)に自動降格となります。
セリエA 2021-22シーズン参加クラブ
Serie A TIM 2021-22 clubsクラブ名 | 創立年 | ホームタウン | スタジアム |
---|---|---|---|
アタランタ Atalanta Bergamasca Calcio |
1907 | ロンバルディア州 ベルガモ |
スタディオ・アトレーティ・アッズーリ・ディターリア Stadio Atleti Azzurri d'Italia |
ボローニャ Bologna FC 1909 |
1909 | エミリア・ロマーニャ州 ボローニャ |
スタディオ・レナト・ダッラーラ Stadio Renato Dall'Ara |
カリアリ Cagliari Calcio |
1920 | サルデーニャ州 カリアリ |
サルデーニャ・アレーナ Sardegna Arena |
エンポリ Empoli FC |
1920 | トスカーナ州 エンポリ |
スタディオ・カルロ・カステッラーニ Stadio Carlo Castellani |
フィオレンティーナ ACF Fiorentina |
1926 | トスカーナ州 フィレンツェ |
スタディオ・コムナーレ・アルテミオ・フランキ Stadio Comunale Artemio Franchi |
ジェノア Genoa Cricket and Football Club |
1893 | リグーリア州 ジェノヴァ |
スタディオ・ルイジ・フェラーリス Stadio Luigi Ferraris |
エラス・ヴェローナ Hellas Verona FC |
1903 | ヴェネト州 ヴェローナ |
スタディオ・マルカントニオ・ベンテゴーディ Stadio Marc'Antonio Bentegodi |
インテルナツィオナーレ FC Internazionale Milano |
1908 | ロンバルディア州 ミラノ |
スタディオ・ジュゼッペ・メアッツァ(サンシーロ) Stadio Giuseppe Meazza - San Siro |
ユヴェントス Juventus FC |
1897 | ピエモンテ州 トリノ |
アリアンツ・スタジアム Allianz Stadium |
ラツィオ Società Sportiva Lazio |
1900 | ラツィオ州 ローマ |
スタディオ・オリンピコ・ディ・ローマ Stadio Olimpico di Roma |
ACミラン Associazione Calcio Milan |
1899 | ロンバルディア州 ミラノ |
スタディオ・ジュゼッペ・メアッツァ(サンシーロ) Stadio Giuseppe Meazza - San Siro |
ナポリ Società Sportiva Calcio Napoli |
1926 | カンパニア州 ナポリ |
スタディオ・ディエゴ・アルマンド・マラドーナ Stadio Diego Armando Maradona |
ASローマ Associazione Sportiva Roma |
1927 | ラツィオ州 ローマ |
スタディオ・オリンピコ・ディ・ローマ Stadio Olimpico di Roma |
サレルニターナ U.S. Salernitana 1919 |
1919 | カンパニア州 サレルノ |
スタディオ・アレキ Stadio Arechi |
サンプドリア Unione Calcio Sampdoria |
1946 | リグーリア州 ジェノヴァ |
スタディオ・ルイジ・フェラーリス Stadio Luigi Ferraris |
サッスオーロ Unione Sportiva Sassuolo Calcio |
1920 | エミリア・ロマーニャ州 サッスオーロ |
マペイ・スタジアム・チッタ・デル・トリコローレ Mapei Stadium - Città del Tricolore |
スペツィア Spezia Calcio |
1906 | リグーリア州 ラ・スペツィア |
スタディオ・ディーノ・マヌッツィ(※暫定) Stadio Dino Manuzzi |
トリノ Torino FC |
1906 | ピエモンテ州 トリノ |
スタディオ・オリンピコ・グランデ・トリノ Stadio Olimpico Grande Torino |
ウディネーゼ Udinese Calcio |
1896 | フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州 ウディネ |
スタディオ・フリウリ-ダチア・アレーナ Stadio Friuri - Dacia Arena |
ヴェネツィア Venezia F.C. |
1907 | ヴェネト州 ヴェネツィア |
スタディオ・ピエルルイジ・ペンゾ Stadio Pier Luigi Penzo |
※本来のスタジアム、スタディオ・アルベルト・ピッコがキャパシティ不足のため、暫定的にチェゼーナのスタディオ・ディーノ・マヌッツィを使用 ※クラブ名と都市名など地名で表記揺れがありますが、クラブ名はオリジナルに近い音、都市名は日本で一般的な表記で掲載しています。 |
主なレギュレーション(2021-22シーズン)
1: ホーム・アンド・アウェー各1回の2回総当り、合計38節開催
2: 勝利で勝点3、引分で勝点1、敗北で勝点0をそれぞれ獲得
3: 順位は勝点順が優先され、同点の場合は該当クラブの直接対決の勝点差→該当クラブの直接対決の得失点差→全試合の得失点差→全試合の総得点→抽選の順で最終順位を決定
4: 最終順位1位〜4位クラブは翌年度のUEFAチャンピオンズリーグ本戦出場権獲得
5: 最終順位5位クラブは翌年度のUEFAヨーロッパリーグ本戦出場権獲得
6: 最終順位6位クラブは翌年度のUEFAカンファレンスリーグ・プレーオフ出場権獲得
7: 最終順位18位〜20位クラブは翌年度セリエB(Serie BKT)へ降格
イタリア・セリエAを現地観戦しよう!
Let's Go and Have Fun at Serie A TIM matchesセリエAのシーズンは原則毎年8月末に開幕し、翌年5月に閉幕します。
セリエAの開催は通常週末ですが、金曜に1〜2試合、土曜に2〜3試合、日曜にそれぞれ4〜6試合、月曜に1試合、月曜開催はなく金曜開催が増える節など、かなり変則的な日程が組まれるのが特徴。伝統的にあくまでメインは日曜開催で、金曜・土曜開催はアンティーチピ(Anticipi)、月曜開催はポスティーチピ(Posticipi)と呼ばれ区別されます。
ミッドウィーク開催も多く、その場合は火曜〜木曜に分散して開催されることが殆ど。カトリックの国イタリアだけに宗教上の祝日に影響されることもあります。
以前(特にレガ・カルチョ時代)は試合の曜日や時間が前週まで決まらないことも多く、現地観戦どころかテレビ観戦にも悩ましいところでしたが、2015年頃からはかなり早い段階で少なくともアンティーチピとポスティーチピの対象試合(=日曜開催以外の試合)は発表されるようになり、現在では2〜3ヶ月分の試合開始時間も一気に発表されることも多くなったので、観戦の計画を立てやすくはなりました。
全てのクラブがセリエAのリーグ戦とコッパ・イタリアの最低2つの大会にエントリーし、上位クラブはそれに加えて欧州カップ戦を戦うことになります。そのため、前年度上位クラブは特に前半戦は過密日程となり、後半も勝てば勝つほど日程がキツくなっていきます。
UEFAチャンピオンズリーグ開催週であれば、週末にセリエA観戦、月曜を移動日、火曜・水曜にCL観戦、という組み合わせもオススメ。
イタリア国内の移動は南北移動と北部の東西移動はイタリア国鉄(トレニタリア)の高速鉄道ネットワークがあるのでスムーズに移動可能。ミラノ〜ローマ間でも2時間台で移動できるようになりました。
中部〜南部にかけての東西移動は鉄道・バスともに使いづらく、ボローニャから分岐して南東へ進みバーリ方面へ抜けるか、ナポリから横断するかの2通りしかなく、この2ルートとも高速化されていないので時間が非常にかかります。
南部全域はナポリから西海岸沿い(シチリアへ繋がるルート)は比較的速い移動は可能ですが、それ以外の地域は交通網が非常に貧弱です。
シチリア島、サルデーニャ島へは本土の空港から飛行機で飛ぶのがオススメですが、シチリアは夜行列車も多くあるのでローマやナポリから列車で向かうことも可能。